『頭山』 山村浩二 監督
2002年 10分
日本人初のアカデミー賞短編アニメーション部門 ノミネート。
2003年のアヌシー国際アニメーション映画祭アヌシー・クリスタル賞(最高賞グランプリ)受賞。
世界四大アニメーション映画祭(アヌシー・ザグレブ・オタワ・広島)のうちザグレブ、広島でもグランプリを獲得。三冠の快挙を遂げた。
アニメ映画祭の三冠はすごい。
この作品も、以前に書いた短編アニメの『岸辺のふたり』や『On Your Mark』や『つみきのいえ』と同じく、セリフ無しでおじさんの感情を表現しているのが良い。
国本武春の語りも、味わいがある。
しかし語りが終始続くので、ややうるさく感じる気もする。
語り無しのサイレント映画でも良かったと思う。
落語ネタを映像化するときは、サイレン卜映画で作ってみたらいいと思う。
何かと合体する映画は、以前にハエと男が合体して最後に死ぬ『ザ・フライ』があった。
あの作品は、物凄く気持ち悪かったが、『頭山』は、終始楽観的に観られる。最後の死もまったく悲しくない。
桜が咲くシーーンが、綺麗で一番好きです。やはり桜は、昔からの日本文化で、いつ見ても美しく感じる。それが頭に咲くというユニークさ。
食べるサクランボと花見の桜は、実は桜の種類が違うが、この作品では同じにしている。
また、種を食べて頭に桜が生えることは、あり得ない。
その辺はご愛嬌ですが、これに詳しい人には納得いかないので、低評価になることがある。
最後に主人公がどうやって死んだのか分かりにくい。一体何が起きたんだ?という感じで終わるので、ややスッキリしない。
監督の顔写真も拝見しましたが、頭山の主人公にに少し似ている。
主人公は、作者の分身であることがよくある。
ロシアのノルシュテイン監督と会っているのをNHKのテレビで見ました。ノルシュテインも『頭山』を褒めていた。これからもノルシュテインが賞賛する作品を生み出してほしい。