『話の話』  ユーリー・ノルシュテイン監督

『話の話』  ユーリー・ノルシュテイン監督
1979年 29分

 

 

『話の話』は、1984年に映画芸術アカデミーとASIFAによる国際アンケートで、なんと「歴史上、世界最高のアニメーション映画」に選ばれた。
1984年なので、かなり昔の評価ですが、最高に魂のこもった傑作中の傑作でないと、アニメ史上最高作品には選ばれない。

 

この作品は、まず、切り絵を使った独創的な映像が素晴らしい。以前に書いた霧につつまれたハリネズミの魂のこもった映像も素晴らしったですが、この作品も、ものすごく手が込んでいる。他の監督は真似できない。


しかし、物語が一般人には、やや理解しにくい。ロシアのエイゼンシュテイン監督の作品も、迫力のある映像の連続の物語に、観客は理解しきれないことがあるが、この作品も、一般の観客には、やや理解しにくいことがある。

しかし、映像が素晴らしいので、最後まで観ることができる。

 


この作品は、ノルシュテイン自身の過去の体験の記憶を映像化しているので、観客は、なんだか自分も懐かしい過去を思い出したような感覚を覚える。

母親の乳を飲む赤ん坊、戦争で人を失う悲しみ、家族の暮らしなど。それらがセリフ無しで、映像だけで物語が進行していくのもいい。


この作品も動物が主役。狼なのに、人の赤ん坊をあやすという心優しいのが可愛い。

29分ほどの短い作品ですが、とても内容の濃くて、見ごたえがある。
作品を何度も繰り返し観ることで、内容が少しずつ分かってくる。

日本のアニメは、セル画やCGが主流ですが、ノルシュテインのような切り絵のアニメがもっと出てくると、面白いと思う。

 

 

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