『霧につつまれたハリネズミ』 ユーリイ・ノルシュテイン 監督

霧につつまれたハリネズミ』  ユーリイ・ノルシュテイン 監督

ソビエト連邦 1975年
10分

霧につつまれたハリネズミ ёжик в тумане

この作品は、切り紙を使ったアニメーション。
全体を覆う霧は、細かい紙片を舞台上に置き、1フレームごとにすこしずつカメラに近づけていくことによって、表現されているという

細かい紙の芸術では、日本では昔から「ちぎり絵」がある。
山下清が有名。

ちぎり絵は、ちぎった紙を台紙に貼って表現した作品のこと。貼り絵、ちぎり紙とも言う。
人の手でちぎられた紙の質感が、温かみのある雰囲気を出している。

このアニメは、ちぎり絵をさらに細かくして、動かしたものといえるかもしれない。アニメの平面的なセル画とは、奥行きや質感が大きく異なる。

 

ノルシュテインが細かい紙を少しずつ動かして、一コマ一コマ撮影しているので、10分の作品に膨大な手間がかかっている。
手間が掛かる分、作品に作者の魂がこもっている。
この魂をこめるということが大切。
その魂を観客が感じて感動する。

最近は、CG(コンピュタグラフィックス)がどんどん進化して3Dも出てきているが、無機質で魂がこもっていないと感じることがある。

 

 

作品に登場するたくさんの動物たちが、とても可愛いくて、イキイキしている。ハリネズミ、犬、ミミズク、ガ、コウモリ、カタツムリ、馬、熊などが登場する。

おそらく、ノルシュテインが若い頃から、森を探検して、実際に出会って観察した動物たちを描いているのでしょう。
想像だけでは、動物のリアリティのある細かい動作までは、なかなか描けない。

この作品以外にも、ノルシュテインの作品には、さまざまな動物がよく登場するので、ノルシュテインは若い頃から動物が大好きなのが分かる。

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